美研のあれこれ⑦
○美術館ワークショップ「わらで手作りウォールポケット」(8月11日〜14日)
8月7日にやっと前期が終わり、「夏休み突入コンパ」で盛り上がったと思ったら、3年生は8月11日より美術館ワークショップ。
今年は展覧会中の「民芸」展に合わせて「わらで手作りウォールポケット」(写真①)。わらと布を手作りの簡易な織器で織っていきウォールポケットを作ります。
私も作ってみましたがかなり行程が複雑で難しい。
3年生は皆で協力しとてもスムーズに制作手順を進めていました。チームワークもいいし、準備や説明の要領もとてもよく充実したワークショップでした。(写真②③)
ただ、ワークショップでは一般の方に時間内に完成作品を作らせるという目的のため、どうしても作り方講座になってしまう。美術で一番大切な創作活動部分に時間が取れないのが残念。9月からの教育実習ではワークショップと違い、創作活動をどうさせるかにポイントをおいて題材設定をして欲しいものです。
写真①
写真②
写真③
○林妙香ついに結婚!(8月25日)
平成16年度卒の絵画ゼミ生、林妙香がついに結婚して山本妙香になりました!
山本は介護・学童施設で働きながら、休みを利用して取得した臨床美術師の資格を生かして、職場で活用しながらがんばっています。旦那様も同業者だそうです。
在学中、学生研究室の椅子に胡坐をかき、カップラーメンとビールでお昼にしていた妙香が・・・・結婚できてホント良かったです。
同級生がたくさんお祝いに駆けつけて祝福しました(写真④⑤)
末長くお幸せに!
写真④
写真⑤
○石上先生、松江で個展(9月3日〜9月28日)
もと同僚、4年前まで島根大学の彫刻の先生だった石上城行先生が松江市のスペーストカトカ (YCスタジオ内)で個展を行いました。
今まで作ってきた習作の小品(マケット)を50個ほど配置するインスタレーション(写真⑥)や、アイデアを練る時のドローイング(写真⑦)などが置いてあり、小さなスペースにふさわしい興味深い展示になっていました。
写真⑥
写真⑦
以下は石上先生の、この展覧会に寄せたメッセージです。
「心のおもむくままに線を走らせ、自身の記憶を反芻するように描くドローイング。私は作品と向き合う前に、必ずこの儀式のような一時を過ごします。そのとき芽吹いたイメージを手掛かりに一握りの土を手に取って、練って、捻って、作品「記憶の容(かたち)」を結実させるのです。
今回、歴史と文化のまち松江を120年にわたり見つめてきた蔵が「ギャラリースペース」として復活していることを知りました。古い街並みの奥にひっそりとたたずむその場所で、小さな展覧会を開きます。内容は、小品「記憶の容」シリーズと「ドローイング」、そしてアトリエの空気を併せて展示する予定です。
記憶の憑代として現われる様々な断片の展示を通じて、私の創造の瞬間をお届けしたいと考えています。」
まだ会期中です。興味ある方はぜひご覧ください。
○教育実習始まる(8月28日〜9月26日)
3年生の教育実習Ⅳが附属中学校で行われています。
8人の学生が4人ずつ2年生と3年生の担当になって授業題材を考え、1か月間の実習に取り組んでいます(写真⑧⑨)。
2年生は「作って使おう!オリジナルスプーン」。桂の木の破材を利用して、その原形をもとにそれぞれ形や用途のユニークなスプーンを作ります。
使えてユニークな形のスプーンをアイデアするのが楽しい上に、削って磨いて形にしていく工程も楽しい題材になりました。
3年生は「銅版レリーフで自分のロゴマークをつくろう!」。自分の名前や部活などから自分を表わすロゴマークを考え、それを薄い銅板にボールペンの先等でボリュームをつけることで表わす制作です。(写真⑩)
こちらも自分のロゴマークというアイデアの面白さ、平らなものにボリュームをつけることで形としてあらわす制作の仕方など美術的要素と楽しさ満載の題材です。
美術館ワークショップでは創作部分が不足しがちだと書きましたが、この教育実習では美術的題材がとてもよくできていて、また皆、板書や説明なども落ち着いてきちんとできていて、収穫の多い実習になりそうです。
写真⑧
写真⑨
写真⑩
○奈義町現代美術館見学(9月16日)
ゼミ生、2年生、卒業生など5名と一緒に奈義町現代美術館に行って来ました。(写真⑪)
写真⑪
奈義町現代美術館は、平成6年の開館以来ずっと行ってみたいと思っていて、それがやっと今回実現しました。
ご存知のようにこの美術館は3つの大規模な常設作品だけでできています。
それから今回は企画展として「中島麦」展、それから「旅するアート」展という、「おかやま県民文化祭地域フェスティバル」関連のインスタレーション数点の展示がありました。
まずは常設作品。
宮脇愛子の「うつろひ」。この作品は群馬近代美術館等色々なところにありますが、ここでは水面と石の上に設置されていて、建物(磯崎新)との関係で陰影が印象的でした。(写真⑫)
荒川修作+マドリン・ギンズの「偏在の場・奈義の竜安寺・建築する身体」。(写真⑬)立つ場が膨らんでいたり円形にへこんでいたり、非常に不安定なので、重力を色々な方向から感じる。身体に訴えかけられる作品でした。
それから岡崎和郎の「HISASHI−補遺するもの」(写真⑭)
中島麦(なかじまむぎ)は旅や日常の記録や記憶をモチーフとする絵画作品作家。日常の中、あるいは旅の中で通り過ぎたりどこかで見たり、そんな印象を明るくさわやかな色彩で描いています。確かに通り過ぎる記憶が曖昧な生と人間を作っているのだなと思うし、それを鋭く捉えている中島は力があるなと感じました。
それから「旅するアート」展のいくつかのインスタレーション作品が館内外で展示されていました。(写真⑮⑯)
久しぶりに現代美術を堪能した一日でした。
写真⑫
写真⑬
写真⑭
写真⑮
写真⑯
ワークショップ楽しそうですね。でも「織る」と「編む」は根本的に
組織が違うので、先生は間違えないでくださいね。一般の人はよく
混同して使うけど、私はいちいち訂正はしませんが。
織をしている者から一言でした。
初めてこちらに投稿してみました。
そうか。
このワークショップは簡易な織り機を使って、縦のわらと横の布を組み合わせて作るので、「織る」が正しいですか?
「織る」と「編む」の違いは何でしょう。
「織る」は組んだ縦糸に横糸を通して作る。「編む」は一本の糸を絡ませて組織を作ります。英語のweaveとknit は全然違う言葉ですよね。ただ、竹とか籐で籠などを作るのは「編む」って言うみたいなんですよね。組織としては「織り」に近いと思うのだけど。立体的なところが違いなのかな?
ワークショップの制作は最後に立体的な(厚みのある)ものにするのでチョットややこしいけど、基本的には「織る」ということで訂正しておきます。
早速訂正していただいてありがとうございます。籠などを作る時は
織機のようなものは使わないので、その違いかもしれない。簡単でも
織機を使って作るのが織りと定義できるかも。「編む」時の道具は
編み棒一本か二本だけだし、籠は手と補助的な道具を使うだけだからね。
機械で「織る」「編む」も糸の組織は同じ。籠を編む機械ってあるのかな?
ごちゃごちや言って済みません。