卒業・修了制作展(2011.2.9−2.14)

美術専攻生記念写真
卒制展 美術専攻生記念写真

島根県立美術館で恒例の島根大学教育学部美術専攻生卒業・修了制作展が開かれました。

会場風景1
会場風景1

今年の卒業生は6名。絵画専攻3名。デザイン2名。美術教育1名。
2年次末のゼミ決定以来約2年に渡っての卒業研究でしたが、昨年10月の中間発表会、つい先日の卒研発表会などを経て、その成果を美術館で発表しました。

まずはデザイン専攻生2人の作品。

デザイン専攻生作品1
デザイン専攻生作品1
デザイン専攻生作品2
デザイン専攻生作品2

美術教育専攻生は論文のパネル展示をしました。

美術教育論文パネル展示
美術教育論文パネル展示

また美術教育研究発表のスペースでは、3年夏に島根県立美術館で行ったWSの成果や教育実習の成果、また「美術科教育研究」の実践報告書など、美術専攻で学修したことが網羅的に展示されていました。

会場風景2
会場風景2

そして、絵画専攻生の作品です。
中間発表会の時にその制作内容をこのTOPICSで紹介しましたが、それと合わせて見ていただくと各自の成長ぶりがわかると思います。(2010.11「美研のあれこれ(その1)」)

まず I 君。

I君の作品
I 君の作品

モデリングペースト、墨、ジェソを塗り込めた真っ黒な画面です。
何も言わない大画面(約270cm×360cmあります)は鑑賞者の意識や既成概念を飲み込み知覚の経験それ自体を強いるため意図されたものです。
その画面作りは、行為としてのモデリングペーストの塗りこみ跡が機械的作業の墨・ジェソの流し込みによってフラットになる飽和点まで繰り返すことでしたが、途中で墨が剥がれるトラブルがあり大変でした。
作品の出来としては不満もありますが、理論の構築とその実践は緊張感の持続が必要で、それを強い意志でよく乗り切ったと思います。
I 君は絵画制作を通じて自分や主体・自我と世界との関係を考え、大きなもの(宇宙などといったもの)に自分を委ねる姿勢を獲得したのではないかと思います。
そういった自分の生き方につながる制作ができたことが一番の収穫でした。

Hさんは8点組作品。

Hさんの作品
Hさんの作品(クリックで拡大します)

全体で「一人ひとりの個別の記憶に結びつける」作品群となっているでしょうか。
スタイルを創り上げるのが難しかったとは言えます。特別個性的なスタイルでなく、なおかつ習作的なもので終わらない・・・・微妙なところですが。
まだまだ追求が足りないとも言えますが、画面そのものの物足りなさは魅力でしょうか。本人の思いや人間性に加えてアーティストとしてのセンスは感じられます。

Mさんの制作は本人も指導する私もかなり大変でした。

Mさんの作品
Mさんの作品(クリックで拡大します)

最終的には13点組。これらのとぼけたユーモラスな形象が、「実はいろいろな悩みや葛藤を内面に抱えている人間というものが、それゆえにホッと安らげるような作品」(本人の言いたいことをまとめるとそういうこと)になっているでしょうか。
その方法を、さんざん悩んだ挙句、自分の意図しない形を見つけるために、まずは色々な「影」の形を集め、その形に触発されその中から自分の求めるものをすくい取る作業によって形象を獲得することで、なんとか客観性を獲得できたのではないかと思います。
誰もが持っている(と思われる、そして普段は口にされることのない)心情に沁みいるような作品になったかな。
何度も私にダメだしされながら決してくじけないで頑張るところがMさんの強さであり魅力です。

2月13日(日)にはギャラリー・トークが行われました。

ギャラリー・トーク1
ギャラリー・トーク1


ギャラリー・トーク2
ギャラリー・トーク2

卒業生の多くは教職に就きますが、美術教育研究とともに、大学生活と自分を全部賭けた卒業制作をやり遂げたことが大きな力になると思います。

 
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