写真集「留鳥」(蒼穹社刊)発行記念
伊藤昭一写真展 丸京庵市民ギャラリー 2019.7.6-7.15

全体としての被写体はなんだか定まらないのに、雑草や水面のディテイルがやけにキラキラ克明に見える伊藤さんの写真。
見ていると、意味を剥ぎ取られた世界の得体の知れなさとともに、その裏にあるかもしれない見知らぬ世界を垣間見たいという誘惑に駆られる。

伊藤昭一写真展
伊藤昭一写真展
伊藤昭一写真展
伊藤昭一写真展

京都場 「移ろう民」展 2019年6月8日(土)~6月30日

いつものように大阪出張に1日足して美術館・ギャラリー巡り
「移ろう民」展  京都場  (6/30で終了しました)
メキシコとメキシコの関係する日本人作家9名の展覧会。移民や文化、出自やアイデンティティなどがテーマになっている。
自分に対して無防備なくらい真っすぐで、安易な共感も求めていない。表現に対しても、既定の美術の文脈に乗っからず、真っすぐに突き進む姿がすがすがしい。
個人的には今道子さんの写真を見られたのがうれしかった。1990年NHK教育テレビ(今のEテレ)で放映した「近未来写真術」で今さんの写真に出会い、美術的な写真のすごさに目覚めた。(篠山紀信の進行で、宮本隆司、柴田敏雄、荒木経惟などが出ていた)。今でもすごい。

「移ろう民」展
「移ろう民」展
「移ろう民」展
「移ろう民」展
「移ろう民」展
「移ろう民」展

第19回個展 ギャラリー事と(島根県雲南市) 2019.6.14-6.23

島根県雲南市の建築家、小畑絢子さんの建築設計事務所[アトリエ素と]に併設しているギャラリースペース[ギャラリー事と]での個展をレポートします。
タイトルは「ココデハナイドコカ」。
人は[今・ここ]を生きていますが、同時に[ここではないどこか・今ではないいつか]とともにも生きているのではないか。
そうした曖昧な意識や記憶の有り様を表現したいと思いました。
[ギャラリー事と]は旧歯科医院の建物を、オーナーの小畑さんがギャラリーに改装したもので、待合室(受付あり)があって、廊下を渡った先の診療室でメインの展示をしています。
小品18点を展示しています。またアーティストトークもします。地元のお時間のある方、ご高覧、参加頂けければ幸いです。

出品作品の詳細は[exhibition]の第19回個展/2019.6.14-6.23「ギャラリー事と」(島根県雲南市)をご覧ください。

第19回個展DM
第19回個展DM
第19回個展
第19回個展
第19回個展
第19回個展
第19回個展
第19回個展

京都場・中津川浩章個展(2019年4月20日(土)〜5月29日(水))

FBなどを通して作品やその活動(主にアートを通した障がい者支援)をずっと見させていただいている中津川浩章さんの作品本物をようやく見ることが出来た。

中津川さんの作品の生命線が文字通り「線」にあることは疑いようもないが、(それはチョット置いておいて)私には絵具のピグメント感が強いのが前から気になっていた。あのバイオレットブルーは何の顔料を何のメディウムで練っているのか(聞いてないのでわかりませんが)。市販のアクリル絵具かもしれないけど。ほとんど、いや多分まったく水で薄めない絵具を、硬めの筆で(使い込んで穂先がちょうどよく固まった筆か。これも聞いてません)ローキャンバスに押し付けるように描いている。それでマティエールとしてはかさかさしてマット(艶消し)にはなるのだが、顔料の粒子がキラキラ輝いているように見えるのが魅力的だ。

で、その「線」ですが、見た時にいろいろな思いをあふれさせ、強く引き付けられるその線は、その魅惑に抗しがたいという点で官能的だが、それとともに厳粛なものを感じる。多分描いている時は意図から離れ、なるべく無私になることは必要だろうが、それは単なる無意識とは違い、瞬間の決定でもそこには永遠に近い記憶や、描いてないときにした沈思黙考というか、思念の堆積が同時にあるのではないか。それがアクションペインティングなどとは違う画面の質を形成しているように思う。

ともかく引き初め工場の跡地という京都らしい時間が堆積している「場」(京都場)で、中津川さんの思念で充電され、ライトアップされた作品はとてもよく合っていた。

中津川浩章個展
中津川浩章個展
中津川浩章個展
中津川浩章個展
中津川浩章個展
中津川浩章個展
中津川浩章個展
中津川浩章個展
 
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