ヨーロッパ研修旅行(2009.9.4〜9.25)No.2

−ロンドンのコンテンポラリー・ギャラリーはすごい!−

この研修旅行のtopicはいろいろ書きたいことがありますが、まずはやはり美術の話題で行きましょう。
その中でもホントすごかったロンドンの現代美術ギャラリーについて報告します。

ロンドンでは9月5日にヘイワードギャラリー。6日にサーチギャラリーとサーペンタインギャラリー。10日にホワイトチャペルギャラリー、ホワイト・キューブ、バービカン・センターに行った。(ICAセンター、ジャーウッドギャラリーにも足を運んだが展示替え期間のため閉廊だった)

ともかくどれもこれも大きい。ヘタな美術館より大きいくらい。銀座のせせこましい画廊とは全く別のものです。バービカン・センターやICAセンターは演劇や音楽もある巨大な総合芸術センターです。

まずヘイワードギャラリーのこの行列を見てください(写真①)。「WALKING IN MY MIND」という展覧会を見るため並んでいる人たちです。画廊に入るのに並ぶのは初めてでなんだか心配になり、隣に並んでいる人にホントに展覧会のために並んでいるのかどうか思わず聞いてしまった。

ヘイワードギャラリーの行列
(写真①)

この展覧会は奈良美智、草間弥生、塩田千春の3人の日本人を含む10名のグループ展。
奈良、草間、塩田の作品は日本でそれぞれの大々的な展覧会を見ているので、なにもここまで来て見る必要もないのだが、この3人が世界のトップアーティストとして外国で取り上げられるのを見るのは悪い気はしない。
ただ3人とも他のアーティストに比べるとおとなしくてスケールが小さい。良く言うと繊細なのだろうが、他の巨大でハチャメチャなインスタレーションに比べると印象が弱い。
草間の中庭のオブジェ群もかわいらしくて強迫観念の欠けらも感じられない。ただヘイワードギャラリーを出てテムズ河沿いをぶらぶらするとそこの並木がどれも草間模様に飾られていて、これは素敵だった(写真②)。

草間弥生のオブジェ
(写真②)

次はサーチギャラリー。今世紀始めダミアン・ハースト、ゲイリー・ヒュームなどいわゆる「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」を次々と生み出したサーチギャラリーは、テムズ河沿いの一等地から2008年にロンドン南西のチェルシー地区に引越しをしている。(ウディ・アレンの「マッチ・ポイント」を見るとダリ・ユニバース横、ロンドン市庁舎内のサーチ・ギャラリーが出てくる)
入り口からして格調が高い(写真③)が中に入るともっと驚く。

サーチギャラリー入口
(写真③)

「Abstract America : New Painting and Sculptures」という展覧会をしていたが、広々した壁面に作品が気持ちよさそうに展示されていた。この贅沢な空間。それも入場無料の上、写真撮影OKだ。(写真④⑤⑥)
ヘイワードの展示に比べると冒険の少ない人選だとは思うが、いずれもしっかりした力量を持った作家たちで、張ったりでない確かさを感じて私には好ましかった。

サーチギャラリーの展覧会
(写真④)


サーチギャラリーの展覧会2
(写真⑤)
サーチギャラリーの展覧会3
(写真⑥)

サーチ・ギャラリーを出て2階建てバスに乗りビクトリア駅まで。それから歩いてバッキンガム宮殿を経て、広大なハイドパーク(写真⑦)を歩くと、疲れてきた頃ケンジントン・ガーデンにあるサーペンタインギャラリーにたどり着く(写真⑧)。このギャラリーは毎年夏の間、ギャラリー脇の公園内に有名建築家がパビリオンを作ることで知られているが、今年は日本人の妹島和世と西沢立衛の設計事務所SANAAの作品だった(写真⑨)。数年前にも同じく日本人建築家、伊藤静雄氏がこのパビリオンを手掛けて話題になった。そういえばロンドン滞在中にBBC放送で隅研吾氏が、北京などに建設した竹の建築を中心にインタヴューを受けていた。ロンドンが竹ブームだとは言え、日本人が国際的に活躍する姿を目にするのはやはり頼もしく思う。

ハイドパーク
(写真⑦)


サーペンタインギャラリー
(写真⑧)
パビリオン
(写真⑨)

ギャラリーでは「ジェフ・クーンズ」展をやっていた。今や超大御所となった現代美術家の展覧会にここも満員。
「ポパイシリーズ」と題された展示は、クーンズお得意のジャンクカルチャーの代表であるようなビニールの浮き袋を使ったオブジェだった。
文句ナシに面白い!こんな他愛もない物がこれだけ鑑賞者の気を引き止めるのはまさにマジックとしかいいようがない。たまたま翌日、テート・モダンで水槽にバスケットボールを浮かべたクーンズの出世作を見て、その確かな歩みを確認した。ただあの浮き袋が何億円?という値で取引されるのかと思うと、大物になりすぎた?

ホワイトチャペルギャラリーはイーストエンドの地下鉄「ホワイト・チャペル」駅をでてすぐ。(写真⑩)
ここでは「エリザベス・ペイトン−Live Forever」展の他、「ブリティッシュ・カウンセル−The Third Dimension」展などを展示していた。小品ではあるがエリザベス・ペイトンが大量に見られた。

ホワイト・チャペル駅
(写真⑩)

そこから地下鉄でバービカン・センターに。(写真⑪)
ここはホントに巨大な文化施設で、ロンドン交響楽団とBBC交響楽団のホール、劇場、3つの映画館そして3つのギャラリーなどが入っている。その中の一番大きなギャラリーで「Radical Nature」展が開催されていた。ひとつひとつの「自然」をテーマにしたインスタレーションが大きくて見応えがあった。
このセンターの中庭にこんなインスタレーションが(写真⑫)。天気がよく皆昼休みを楽しんでいる。奥の建物がすぐセンターのレストランになっていて私もそこでお昼を食べた(写真⑬)。イギリスもアメリカと同じように1プレートに全部盛られるのが基本。肉、チーズ、パプリカなどはおいしかったけど、タコは一緒にしないで欲しいし、バターライスにヨーグルトをかけたものはチョット・・・・・・。

バービカンセンター
(写真⑪)
インスタレーション
(写真⑫)
料理
(写真⑬)

そこからまた地下鉄で「ホワイト・キューブ」へ。最近はここ「ホワイト・キューブ」を中心にイーストエンド地域のギャラリーが注目を集めているそうである(写真⑭)。ただその先まではよくわからず行けなかった。
帰りは「ベイカーストリート」で地下鉄を降り、子供のころから大好きなシャーロック・ホームズの家に寄ってパイプを燻らせてきました(写真⑮)。

ホワイト・キューブ
(写真⑭)
シャーロック・ホームズの家にて
(写真⑮)

以上、ロンドンのギャラリー巡りの巻でした。

 
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