美術館&ギャラリー巡り 2010.11.12-11.15(その2)
深川の小路のアンパンマンの木?
【清澄白河ギャラリー群】
半蔵門線の清澄白河で降りて、小山登美夫ギャラリーへ。
深川は初めてでしたが、下町の情緒を残していて、ゆったりと時が流れている感じでした。
清澄公園を経てこの辺だと思うところまで来てもギャラリーらしい感じが全然せず案内もどこにもありません。倉庫になっている建物で働いている人に聞くと、「みんなあのエレベーターに乗って行くよ。」と言われて業務用のどでかいエレベーターで7階へ。
エレベーターが開いたとたんに今までの風景とは一変して広くて清潔なギャラリーがドーンと目に入りました。(写真①)
小出ナオキ、工藤麻紀子、桑原正彦らギャラリーが扱っている作家の展示でしたが、どれもいかにもこのギャラリーの作家だなというものが見られました。
写真①小山登美夫ギャラリー
小山登美夫ギャラリーばかりが有名になっていますが、ここには5F、6F、7Fに計8つの、どれも実力派のギャラリーが入っています。
一つ下へ降りて6Fの「キドプレス」ギャラリーでは藝大准教授のOJUNの銅版画展。
OJUNの版画は珍しいですが、ここはもともと版画工房をしていたところなので版画展が多い。
「horomiyosii」ギャラリーでは泉太郎展。(写真②)
「捜査とあいびき」という展覧会。このタイトルにもまた「あっそう。」という感じですが、それでもこれは作品の説明をしてるかなとも思います。
写真②「horomiyosii」ギャラリー
ミニチュア版ですが泉のスタイルのエッセンスが詰まっている作品でした。
写真ではわかるかどうか、仮設の丸い通路(床より少し高い位置に作ってある)の中をトラのぬいぐるみ(また出た!)を背負った泉本人が這い回ります。そこにはわざとその進路を妨害する様々なガラクタが置いてあり、泉はそのガラクタの間を悪戦苦闘して這い回るうちにどんどん汚くなっていきます。
その様子を数台のカメラに収め、その映像と仮設の装置と行為の残骸が展示されているという、これぞ泉!という作品でした。
この何ともいえぬばかばかしさ、カッコ悪さ、情けなさ、緩さ・・・・がこんなにも晴れやかで心地よいのは、この無能力性が日常を突き抜けそして精神の再生に繋がっているからでしょうか。
堪能しました。
(美術館&ギャラリー巡り 2010.11.12-11.15(その1)「泉太郎はすごい!」の巻もご覧ください)
もうひとつ階を下ると「Taka Ishii Gallery」。
村瀬恭子の「サファイア」展をやってました。(写真③)
村瀬は「ネオテニー展」以来「絵画の庭展」などいろいろなところでお目にかかります。いまや超売れっ子ですね。
今の子の世界の探知の仕方というのはこんな感じなのかなというのがよく出ています。
非常にナイーヴな感覚器官で精いっぱい受け止めたという感じが伝わってはきます。
写真③Taka Ishii Gallery
もうひとつが「ShugoArts」。(写真④)
ここでは「LEE,Kit」というアーティストの布生地を使った個展をやってました。これも素晴らしかった。
写真④ShugoArts
どのギャラリーも気品がありソフィスティケートされていて素敵でした。案内表示をどこにも出さないことなんかも含めて若干気位が高いっぽい感じ?もありましたが、それだけ自負もあるのでしょうね。内部の構造や空間の感じ、レセプションやスタッフの様子などまるでチェルシーのギャラリーにいるようでした。
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