美研のあれこれ(その2)
(川瀬一絵写真展「空の耳」より)
○3年生教育実習Ⅳ終わる
附属中学校で実施していた学校教育実習Ⅳ(3年生 A班8月31日-9月30日、B班10月5日-11月5日)が終わりました。
各班1年生が「型取れ ! ドリーム★ピーマン」(彫刻内容)、3年生が[広がる世界−マイ・キューブ](介護内容)というタイトルで独自の題材を考案し、指導案を作り分担して授業を行いました。(写真①②)
写真①
写真②
先日はその総括として2年生主催の授業協議会が行われ、実習授業の反省や活発な意見の交換をしました。(写真③)
写真③
みんな、いろいろたいへんな思いをして乗り切ってきました。
自分自身の全人格や能力をフル動員したこの経験は、先生としてだけではなく自分を作って行く絶好の機会だったと思います。
この実習活動をまとめて、1月には専攻内で発表会を行う予定です。
○生涯学習 版画講座(10月22日〜11月12日)
昨年から実施している生涯学習センター主催の一般向け講座ですが、今回は「ドライポイントプレートで凹凸版刷りを楽しもう」と題して版画の講座(全4回)を開きました。(写真④⑤)
写真④
写真⑤
厚紙版を使ったドライポイントで、製版にニードルやビュラン、ルーレット等の道具での線描の他に紙や布などのコラージュもでき、様々な表現効果が楽しめます。
また1つの版で凸版刷り、凹版刷り、凹凸版刷りの3種類の印刷をすることでそれぞれ違った表情の作品ができ、刷りも楽しめる版画です。
手軽にたくさんの作品が作れますので受講生の皆さんには好評でした。(写真⑥⑦)
写真⑥
写真⑦
ここで卒業生の話題を2つ
○安田陽子のデザインが「瀬戸内国際芸術祭」のお土産に採用。
ホントは[Topics「直島&瀬戸内国際芸術祭」]の最後のところで紹介するつもりだったのですが、それがいつ終わるとも知れず・・・・という感じ(トホホ)なので、もうここで書いてしまいます。
瀬戸内国際芸術祭ではフェスティバルにちなんだお土産が多数販売されていました。
これは「Roooots瀬戸内名産品リデザインプロジェクト」というプロジェクトがプロデュースしたものですが、そのパッケージデザインはコンペで決定されました。
その中の[瀬戸内ジェラ「まぁ〜るごと瀬戸内海」]というジェラートのビンのデザインに我がゼミの卒業生、安田陽子のデザインが採用されました。
これです!(写真⑧)
審査員の佐藤卓の評には「親しみやすく、いい意味で人が[普通]に接することができる」(瀬戸内国際芸術祭公式ガイドブック2010)とあります。
安田は平成16年度卒。今は米子のデザイン会社でデザイナーをしています。
今年8月のSEED展でも実行委員としてDMやポスター、パンフなどのデザインを一手に引き受けてくれました。
私も直島を離れる時「海の家直島」で購入。暑い夏の日のさわやかな思い出ができました。
安田、またがんばって!
○川瀬一絵写真展「空の耳」
先日の東京出張時に卒業生の川瀬一絵の写真の個展に行って来ました。
場所は秋葉原からほど近い大伝馬町の「dragged out studio」。期間:2010年11月11日(木)−21日(日)。
川瀬が勤めている写真スタジオの中にあるホワイトキューブのギャラリーでした。(写真⑨⑩)
川瀬はH.15年度卒。デザインゼミの学生で、在学中から写真作品を制作していて、卒業後東京で写真の勉強のかたわら写真スタジオ「ゆかい」に入って仕事をしています。
彼女の写真に懸ける情熱はすごく、言い寄る男どもを蹴散らしながら(!?)「大地の芸術祭」の記録写真の仕事などに奔走しています。
今回の写真展は新作約40点を展示。そこには「よーく見るシリーズ」として、一見青空なんだけどよーく見ると白い鳥がいっぱい飛んでいたり、草むらをよーく見るとバッタが顔を出したりしていました。
以下、本人の制作ヴィジョンです。
22才まで住んでいた島根へ久々に帰ったとき、
裏山にあたらしい道ができていた。
道を登るとすぐそこに海が見えた。
そんなこと地理的には知っていたけど、
なんだかとても不思議で新鮮だった。
信じられない奇跡みたいなのもいいけど、
日常になんでもない顔をして存在しているちょっとした不思議やズレが気になる。
そこには信じられるたしかなものがあるように感じるからだ。
だけど、あたりまえすぎてものすごく忘れてしまいそうだから、
いつもカメラを持ち歩き、写真に撮っている。
日常でふいに出会う「ちいさなおどろき」を
追体験できるような写真展にしたい。
川瀬もがんばって。また東京で会いましょう。
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