[堂島リバービエンナーレ2019]2019年7月27日-8月18日 堂島リバーフォーラム
[堂島リバービエンナーレ2019]に行って来ました。
サブタイトルが「シネマの芸術学 -東方に導かれて- ジャン・リュック=ゴダール『イメージの本』に誘われて」
ゴダールの最新映画作品『イメージの本』を基に、「私たちに未来を語るのは“アーカイブ”である」「アートとは、現実の反映ではなく、その反映の現実性なのである」と語る彼のコンセプトに沿って、アーティスティック・ディレクターの飯田髙誉がキュレーションしたもの。出品者はゲルハルト・リヒター、トーマス・ルフ、佐藤允、空音央、アルバート・トーレンなど。
ゴダールの「イメージの本」は、ほぼ全編既存の映画作品の断片を引用コラージュした作品。画像が劣化していたり極彩色であったり、くるくる場面が変わったりしてどこか意識の反映的(?)。ゴダールについて無知な私にはほとんどわからなかったけれど、会場配布のハンドアウトと交互に見て何とかついて行った。
リヒターは自作の構想や写真などで構成した「アトラス」。台紙の数が全部で圧巻の809枚。他、佐藤の油彩の他は写真や映像作品。もっとも面白かったのがフィオナ・タンの写真と映像作品。《人々の声 東京》という写真の作品は、東京で暮らす人々が自分たちを撮った写真(結婚式とか、日常風景だとか)を、持ち主から借りて背景情報なしでタンが選んで並べたもの。何ともよかった。写真に写っているのが誰だかわからないので、変な意識の誇張や理論が消えてなくなる。そこには単なる人生のある瞬間だけが素朴に純粋にあって、そこから人生は愛すべきものだということがひしひしと伝わってきた。
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