「空間/経験 そこで何が起こっているか」展(鳥取県立博物館)

「空間/経験 そこで何が起こっているか」展(鳥取県立博物館)に行って来ました。
当館が昨年より始めた「ミュージアムとの創造的な対話」シリーズの第2弾。「空間」とそこでの「経験」の在り方に着目した現代美術の展覧会です。
小山田徹、田口行弘、梅田哲也3氏のインスタレーション作品の展示でしたが、その感想を少し。

小山田は「実測図」と「洞窟と測量」と題したインスタレーション。「実測図」では考古学的な実測制作の形式を、日常品や岩などにも応用した一種の思弁的ドローイング作品。「洞窟と測量」は鍾乳洞を測量し新たな地図を作り出すもの。写経のような、または禅的な修行のようなものを感じた。小山田の生き方そのもの-無に近づく精神性を美術の行為として表したものか。ばかばかしいがとても清らか。つい先日、森美術館での「クロニクル京都1990s―ダイアモンズ・アー・フォーエバー、アートスケープ、そして私は誰かと踊る」展で小山田の所属するダムタイプの活動を改めて概観したが、全く勝手になのだが、古橋悌二を失った後の小山田の心境を思わざるを得なかった。
田口行弘は鳥取砂丘の砂を使ったアニメーションと、その砂を使った砂場で鑑賞者が自ら何らかの跡をつけて制作するインストラクション作品。アニメーションがすばらしく楽しい。これも、つい先日タカ・イシイギャラリーで観た石田尚志のドローイングアニメーション同様、なんともユーモラスで、それこそ「空間」を砂とともに生き生きと「経験」することが出来る。アニメーションというのはこんなにも有効な表現手段なのか。
梅田哲也の作品は、様々な器具を電気的につなげて、動き、光、音、熱などを作り出す装置。冷たく無機的な、また無意味な装置が何か生きているように語りかけてくる。じっとその動きを見つめる。

とても面白く鑑賞した。ただパンフや会場に何一つ解説がないのが気になった。そうでなくてもとっつきにくい現代美術を、何の説明もなく見せられても一般的には何が何だか分からない。せっかく意欲的な展覧会なのに残念。それにしても地方の博物館でこのような展示ができるのは素晴らしい。どこかの美術館も少し考えてもらえないか。

小山田徹作品
田口行弘作品
田口行弘作品
田口行弘作品
梅田哲也作品
梅田哲也作品
梅田哲也作品

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